2012年02月22日

「被弾データ」から考える真の弱点

数年前にネットで仕入れた話を紹介します。第二次世界大戦中に戦闘機を強化するための米軍内でのやりとりらしいです。

帰還した戦闘機の被弾データを集めたところ、ある部分の被弾が特に多いことが分かりました。軍関係者は、この部分を補強すべきだと判断しましたが、統計学者のエイブラハム・ワルドは、逆に、被弾の少ない部分を補強すべきだと主張したそうです。

彼は、得られたデータが“帰還した”戦闘機のものばかりであることに注目し、被弾しているところは致命傷にはならず、むしろ被弾データの少ない箇所に被弾した飛行機は致命傷となり、帰還できなかった可能性があると判断したということでした。

これは比較的、有名な話らしく、ネット上でも「戦闘機」「バイアス」などで検索すると出てきますので、詳しい内容は、そちらにお任せします。

この話を聞き、新聞業界について考えました。

若年者の活字離れを問題視し(確かに問題ですが)若者対策を強化したり、配達地域の中で、特にシェアが低い地域の拡張に力を入れたり、ネット事業を立ち上げたりしています。

しかし、若年層の読者が少なくても、特定の地域のシェアが低くても、ネット事業の売り上げが伸び悩んでいても、新聞社の多くが一定の利益を確保し経営が安定している“現状”を考えると、これらの“弱点”は、今のところ経営に大きな影響を与えていないと考えられます。つまり、慌てて対応する必要はなく、優先順位は低いと思っています。

一方で、中高年齢層やシェアの高い地域の読者が減ると、大打撃になります。

新聞協会ホームページによると、2010年度の新聞総売り上げに占める内訳は、販売61.1%、広告23.3%、その他15.6%と、とりわけ販売収入の存在感が増し続けています。広告が1割落ち込むよりも、販売が1割落ち込む方が3倍近く財務に影響を与える状況です。

こう考えると、新聞各社が今、大事にするべきことは、安定している現状が変わらないようにすること。つまり、販売収入を支えている中高年齢層とシェアの高い地域に読まれ続ける努力ではないかと思っています。

余談ですが、今、心配されていることは、新聞を支えるこれらのコアな人たちが、消費税率アップなどによる所得の低下で、購読をやめる恐れが高まっている点だと思っています。その購読中止分を、若者読者獲得やネット収入拡大では賄いきれないと考えるので、営業強化よりも、新聞発行のコストダウンに今のうちから智恵を絞ることが大切だと思っています。(惑)


posted by MOT at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | メンバー日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする