2012年11月07日

「市民メディア全国交流集会に参加して」

 10月27 、28日の両日、新潟県上越市で開かれた第10回市民メディア全国交流集会に初めて参加した。参加者の多くは、市町村域または広域行政圏を主なエリアとする地域紙やケーブルテレビ、コミュニティFM局の関係者と大学教授らの研究者。2日間で13の分科会が開かれて活発な議論が交わされていた。

 開会式を兼ねて開かれたシンポジウムでは「東日本大震災で地域メディアは何を伝えたか」がテーマとして取り上げられた。福島や宮城の地域紙、ケーブルテレビ、コミュニティFMの関係者とともにパネリストを務めた福島県いわき市の空撮士・酒井英治さんの発言が印象深かった。

 酒井さんは震災前からモーターパラグライダーで、いわきの街並みや海岸線を撮影してきた。震災後は変わり果てた故郷の姿を空から撮り続けている。震災の爪痕を克明に記録し復興への支援の輪を広げたいと、各地のシンポや講演に積極的に足を運ぶ一方、空撮した動画をネットで配信している。

 シンポの終盤、酒井さんは「自身や仲間が捉えた映像や身近な情報を広く伝えたいと新聞社やテレビ局に持ち込もうと思っても敷居が高くなかなか持ち込めない」と市民の側の心情を吐露した上で、メディアに携わる関係者に「お願いがあります」と訴えた。各地域で“情報交差点”となっているキーマンの存在に触れてから、「メディアの人たちは普段から、地域のキーマンとコミュニケーションをとっていてほしい」と呼び掛けた。酒井さんは「メディア関係者と付き合いがない市民でも、地域のキーマンになら情報を提供しやすく、市民目線の情報がメディアに届くことにつながる」とも話し、「地域のメディアが市民の情報を取り上げることが全国へ情報が拡散するきっかけになる」と強調した。

 地方紙に身を置いているだけに、ふだんから読者との対話や読者目線の紙面づくりを怠っていないか。支社局時代の地域の人たちとの付き合いを疎かにしていないか。結果として、新聞記者と、そして新聞そのものを読者にとって近寄りがたい存在にしてしまっていないか。酒井さんの訴えに身が引き締まる思いがした。
(大日方)

posted by MOT at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | メンバー日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする