2008年09月13日

たかが見出し、されど見出し

いや、正直メディア激震だと思う。

ネットニュース、見出しだけで名誉棄損 毎日新聞敗訴
という話が出ていた。

asahi.comから引用
毎日新聞の紙面とインターネットの記事で名誉を傷つけられたとして、家電大手の「ヤマダ電機」(群馬県高崎市)が毎日新聞社に1200万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(松井英隆裁判長)は12日、ネットの記事のみが名誉棄損に当たるとして、110万円を支払うよう同社に命じた。

 問題となったのは、07年3月30日付朝刊の1面に掲載された「不要家電1600台横流し」との主見出しで掲載された記事。紙面では「収集委託先」などが別見出しになっていたが、ネットでは「ヤマダ電機 不要家電1600台横流し」などと1本の見出しを掲載し、見出しをクリックすれば本文が読めるようになっていた。

 ヤマダ電機側は、不要家電を不正に転売していたのが委託業者だったにもかかわらず、ヤマダ電機が組織的に違法行為を行ったような印象を与えた、と主張していた。

 判決は、ネット上の記事について、本文が紙面と同じ内容でも、「見出しのみを閲覧し、それだけでニュースの内容を把握する読者も相当数存在する」と指摘。見出しだけを単独で検討し、名誉棄損に当たると認めた。一方で、紙面の記事は、本文を含めた全体の印象から「社会的評価や信用を低下させるものではない」と判断した。

     ◇

 毎日新聞社・社長室広報担当の話 主張が一部認められなかったことは遺憾だ。判決文を精査して今後の対応を検討する。


ということだが、要するに
・主見出しのみで完結するか
というのが争点で、裁判所側は、「主見出しだけで完結する」
と判断したわけだ。

本紙では別見出しで「収集委託先」と書いてあったらしいが、
ネットでは主見出しだけを配信。
今回の敗訴となった。

新聞が紙面としてのみ成立する時代から、WEB時代の判例と言える。
最高裁まで争うと今後の流れを決定付ける可能性が高いので、上告するか、しないか、毎日新聞だけではなく、メディア界の行方を左右する問題となりうる。

もちろん各社、今回の判決に肝を冷やしているはず。
過去のものを含め、主見出しだけを見れば危ない見出しなど、いくらでもあるはずだ。

編集部門の人間からすると、見出しはセットで紙面になっているので、主だけで判断されるのは正直厳しいかな、とは思う。
しかし一方で、WEBにニュースを配信してお金を稼いでいる以上、見出し単体に責任が発生していることを認識するには良い機会になった。

それにしても毎日新聞は今年踏んだりけったりだな・・・。

新聞社を含む各種メディアは、これを機に見出しとWEBの関係を頭に、編集能力を上げていくしかないだろう。
もちろん一行で言えない見出しも多いので、もしかしたら紙面のあり方全体を変えていく転換点となるのかもしれない。
posted by なべ at 02:06| Comment(3) | TrackBack(0) | 新聞関連ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たしかにこの判決は、見出しとウェブの関係を再考するきっかけになりそう。
本来、読者の誤解を生んだり、名誉毀損につながるようなものは特に慎重になるべきだろうが、
ウェブの見出しはスペースの関係上、紙面よりも短くしがち。
そして、すべてを言い切るのではなく、扇情的な見出し、雑誌的なノリの方がページビューも上がる。
このあたり、どこで折り合いをつけるのか。
ところで一つ疑問が。ヤフーのように、トップページのトピックスでは短い言葉だけ出して、クリックするとわき見出し部分がついた記事ページが現れるような形態では、やはりアウトになるのだろうか…。
Posted by かず at 2008年09月13日 10:51
特に地方版なんて、デフォルトで記事の入っている県だ、っていうのを省略するじゃないですか。
けっこう危険な判例だと思いますが。
Posted by なべ at 2008年09月15日 01:01
出遅れました…。

見出し付けには、それなりに相当のスキルが要るし、極めて重要な存在なんですが、
新聞本紙の見出しに比べると、ウェブでは軽く扱われがちな気がします。

手直しが楽、という事情もあるのでしょうが、チェックも甘そうな気がする。

新聞本紙は、1度配ってしまえば、文字通り取り返しがつきません。

しかし、ネットは融通がいくらでも利く。

先の研究会で「ウェブの情報をきちんと保存している人間・組織なんてない」という
話題が提起されましたが、このあたりの「保存性」と絡めて、もろさが露呈した
感じもします。

以上、まとまりませんが。

Posted by MOT at 2008年09月20日 00:49
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