2012年05月03日

【5・3に思う】

 憲法記念日の5月3日は、朝日新聞労組組合員である私にとって、もう一つの意味をもつ特別な日です。1987年5月3日午後8時15分、「赤報隊」を名乗る目出し帽の男が朝日新聞阪神支局を襲撃。散弾銃で撃たれた小尻知博記者は、29歳の若さでそのペンを永久に折られてしまいました。朝日労組は、この事件を語り継ぐことこそ、言論の自由を脅かすあらゆる暴力との闘いである、との思いから毎年5月3日に「言論の自由を考える5・3集会」を開いています。事件から25年、四半世紀の節目となる今年も、神戸市で集会が開かれました。
 新聞労連産政研委員として改めて「5・3」を考えたとき、別の思いが浮かびます。「言論の自由を脅かすのは、なにも物理的な暴力だけではない」という思いです。多くの新聞社は、人口減や若者の新聞離れ、広告減などで経営が厳しくなっています。経営が厳しくなり、新聞の収入源が細れば細るほど、その新聞の論調はお金の出し手である一部の株主や、一部の広告主の意見に左右されやすくなります。倒産で新聞社の数が減っていけば、日本における言論の多様性は損なわれていきます。
 もちろん新聞社も民間企業ですから、「倒産しないよう特別扱いしてください」というような甘ったれた考えは許されません。万一、東京電力のように国の公的支援を求めるような事態になれば、それこそ紙面に国家権力の介入を招きかねません。それは言論機関にとって自殺行為そのものです。
 だからこそ新聞社は、あくまで自力で経営し、紙面において自由な言論を守っていける企業であり続けなければなりません。その「細い道」を新聞社の働き手の目線で探っていくのが、産政研に求められた役割なんだと、改めて自分に言い聞かせた5月3日でした。
(てつ)

※心ある方、本日午後8時15分に小尻記者に黙祷を捧げていただけると幸いです


posted by MOT at 12:47| Comment(0) | TrackBack(0) | メンバー日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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